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このページの最終更新日: 2009/06/16
提案日: 2009/01/06

作業フロー図

概要

ソフトを開発するために、いろいろな開発環境、いろいろなファイルを使う必要がある場合があります。数が多くなると、その開発に必要な作業が増えて複雑になり、全体が見えにくくなります。

そこで、開発作業の流れ実行時のデータの流れを表す図の描き方を提案します。この図によって、複数の開発環境、複数の実行ファイルを扱わなくてはならない複雑な場面を分かりやすく図にまとめる、といったアイディアです。

背景

複数の開発環境やファイルを使うとき

ソフトを開発するために、いろいろな開発環境を使う必要がある場合があります。例えば、実行ファイルをVisual C#のIDE上で作成して、ライブラリファイルをVisual C++のIDE上で作成する場合は、2つのIDEといった開発環境を使います。

また、実行するときにいろいろなファイルを合わせて使う必要がある場合があります。上の例では実行時に、実行ファイルとライブラリファイルの2つを合わせて使います。

このように複数の開発環境複数のファイルを使う必要があるとき、その開発に必要な作業の手順が増えて複雑になり、次に何をすればよいかがあいまいになったり、他の人に今何をしているのか説明しにくくなったりします。また、期間が少しあけばその手順はすぐに忘れてしまいます。

そこで、開発の中にある流れを1つの図に描き込む、といったアイディアに至りました。全体の流れを分かりやすく図に描くことで全体が見えるようになり、図の中を指し示せば他の人に説明しやすくなります。

■開発によっては1つのIDE上ですべてが済んでしまう場合もあるが、(非常に高機能なIDE)
■開発にいろいろなソフトウェアを使う必要がある場合、作業の手順が複雑、その後すぐに忘れてしまう。そこで 開発の中にある流れを1つの図に描き込む

どんなもの?

開発作業の流れ/実行時のデータの流れ

流れを表す図の描き方の1つで、複数の開発環境をまたいで開発する場合の作業の流れと、複数の実行ファイルをまたいで動作する場合の実行時のデータの流れを図に表します。この図によって、複数の開発環境、複数の実行ファイルを扱わなくてはならない複雑な場面を分かりやすく図にまとめられる、といったアイディアです。

下の図はスタティックリンクライブラリ(.lib)をVisual C#から使う場合の開発作業の流れと、実行時のデータの流れを表しています。流れを表す矢印は2種類あります。白抜き矢印はプログラムの作成やコンパイルなどの作業の流れと、それに伴って作成されるファイルなどのデータの流れを表します。下の図では、例えばVC# 2008 のIDE上でコード/UIを作成して、.csファイルに保存、それらをコンパイルして.exeファイルを作成する例が白抜き矢印で表されています。

黒矢印はプログラムを実行させたときの関数呼び出しやデータの受け渡しなどのデータの流れを表します。下の図では、実行時に.exeファイルと.dllファイルの2つを使い、.exeが.dllへデータを送る例が黒矢印で表されています。

図から、開発環境はVisual C# 2008 ExpressとVisual C++ 2008 Expressの2つを使うことが分かります。図の中でファイルの形をしたブロックがある場所を見れば、どちらの開発環境で作成されるデータなのかが分かります。

作業フロー図の例 [拡大]

このように、開発時の作業の流れと、実行時のデータの流れを描いて、作成されるデータの配置場所を合わせて描くことで、開発から実行までのすべての流れを一度に見ることが出来ます。この図を使えばその開発の全体を表すことができ、どのように開発したのか、どのように動作するのかを残すことが出来ます。

複数の開発環境があるとき [拡大]

この図の描き方は、複数の開発環境があるときに威力を発揮します。例えば、3つ、4つの開発環境を使ってそれぞれ開発しなくてはならず、それぞれでコンパイルしたファイルが3つ、4つ作成され、実行時にはそれらを組み合わせて呼び出す必要がある場合、この図がそれらを簡潔に表します。

全体を図に描くことで、あいまいな部分もはっきり把握できます。また、開発が終わった後も、複雑な流れまでをしっかり残すことが出来ます。

■データフローと物理場所の配置を合わせて描いた図。データフロー図を基に、データが物理的に存在している場所に、そのデータを表すブロックを配置する。複数の開発環境や実行環境をまたいで動作するものの作業フローを図にするときに便利。データの流れとそのデータの配置場所を合わせて描きます。 ■矢印2種
■複数の開発環境のときに威力を発揮、3つ4つの環境を使ってそれぞれ開発し、コンパイルで作成したファイルが3つ4つ出来て、それらを実行時に組み合わせて呼び出す場合など。図に描かないと、把握しきれなくなる。開発が終わった後、複雑なものは忘れてしまう。

 

更新履歴
2009/05/20
  • 書き始め
2009/06/01 v1
  • 初版作成

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